2019年版キャッシュフローゲームが販売されました。
キャッシュフローゲーム101がある中で、なぜこのボードゲームが生まれたのか気になっている方も多いのではないでしょうか。
かく言う私も友人と実際にやってみたのですが、結論としては
教材というよりゲーム性が強いので、学びたいという方にはオススメはしません。
その理由を3点お伝えしていきます。
理由①:お金の管理が「現金」から「出納帳」に変更
キャッシュフローゲーム101では「紙幣」でやりとりして、手持ちで現金管理をしていました。
しかし2019年版では紙幣がなくなり、すべて「出納帳への手書き管理」になっています。
やってみて思うことですが手書き管理は非常にめんどくさいです。
その上、お金の流れにリアリティがなく体感としても非常に感じにくい。。。
キャッシュレスが進んでいるのである意味良いのかもしれませんが。
しかし「学ぶ」という意味では、実際にお金そのものが流れてくるからこそお金の流れを体感できるのかなと感じました。
これはどちらかというと作成者側のコスト削減の要素が大きいのかなと感じます。
理由②:+〇〇%で買いたいという表記が出現
「こんな言い回し現実ではほとんどないわ。。。」
と心の中で思いました。
「+〇〇%で買いとる」のような表記に慣れると「これを売れば必ず儲かる」という視点でしか見られなくなりました。
本来のビジネスの現場では”実数表記”されることがほとんどです。
つまり私達は、数字を見ただけで「利益が出る数字なのか」それとも「減益になる数字なのか」を瞬時に判断できる力が必要になります。
このような「+〇〇%」のような表記では損得の判断でしか見えなくなる表記です。
これでは地力が身に付かず、現実に活かされる場面もほとんどないのではと思います。
この点に関しては、残念ながら何も学びを実感しないままゲームが終わってしまう印象でした。
理由③:資産カードに見込み売値が書いてない
これが非常に衝撃的でした。一番初めに思ったことは
「何を判断基準に資産を買えば良いのだ。。。」
ということ。
投資には必ず”基準”を設けます。
初めての人にとっては、情報がない中で見込み売値も書かれていない状況。
つまり、
資産を購入する際の判断基準がゲーム上にないのです。
要するに毎回の資産購入がギャンブルのそれと同じになってしまうということです。
現実でも同じように明確な売値を把握できるわけではないですが、それでも何かしらの情報をもとにして投資の判断基準を設定しているわけです。
ゲームを何回もやっている方にとっては良いですが、まったくの初心者にとってはこれでは何の勉強にもなりません。
その他
他にも相違点がいくつかありましたので良かったと思う点について挙げていきます。
相違点①:3BRr/2BaがBig/Dealのみに変更
これは現代に即していると思いました。
キャッシュフローゲーム101では唯一3Br/2BaがSmall DealとBig Deal両方に存在していました。
しかし2019年版ではBig Dealのみです。
現実でも日本の人口減少に準じて不動産の需要は低下しています。
また良質な投資用不動産も富裕層の間での流動性がもっとも激しいので、資金のある人にしかこのような投資チャンスは訪れないです。
より現実的な学びを体感できるかと思いました。
相違点②:職業カード間でのキャッシュフローの格差が広がった
現在では特に職業間における格差も広がってきています。
中でも中間層の減少が著しく、また 職業間での収入格差も広がっているように感じます。
2019年版キャッシュフローゲームではお医者さんとビルの管理人では待遇差が広がっています。
さらに医者は最初から2軒分無借金で2Br/1Baを購入できるようになっています。
要するに、資金を得やすい人ほど資産構築という意味では得な世界ということです。
ゲームバランスの面は置いておいて、職業格差を敢えてつけてみてそれを体感してみても面白いかと思います。
現実では自分はどちらの立場にいるのか?
今頑張るべきか否かをより実感することはできるかもしれません。
ただ、あくまで実感するだけで良いとは思います。
まとめ
2019年版の難易度はかなり下がっており、またゲーム性が増しているだけです。
ですので「超初心者もしくは子供向け」に使用するのが良いかなと感じました。
より現実的に学びたいのならば、キャッシュフローゲーム101の方がやっぱりオススメだと思いました。
キャッシュフローゲームに興味を持たれている方はぜひ、当ゲーム会でキャッシュフローゲーム101を体験してみてください。