『金持ち父さん貧乏父さん』とは対照的な二人のお父さんが登場するストーリー形式のビジネス書です。著者は実業家のロバート・キヨサキ氏で、初版はアメリカで1997年に、日本では2000年に発売されました。
『改訂版 金持ち父さん貧乏父さん:アメリカの金持ちが教えてくれるお金の哲学』
ロバート・キヨサキ(2013),白根美帆子訳,筑摩書房
現在では51ヶ国語に翻訳され、109ヶ国で読まれ続けている超ベストセラー本です。
この記事では
『金持ち父さん貧乏父さん』が気になっているが時間がとれない方
過去に読んだけど内容を振り返りたい方
に向け『金持ち父さん貧乏父さん』をカンタンに要約し丁寧に解説していきます。
金持ち父さんと貧乏父さんって?
私には二人の父がいる。
金持ちの父と貧乏な父だ。出典:ロバートキヨサキ(2013)『改訂版 金持ち父さん貧乏父さん』白根美帆子訳,筑摩書房. はじめに P.9より
書籍の冒頭の一文です。
はじめに では、興味を引く一文から
金持ち父さんと貧乏父さんの対照的な物の見方、考え方、行動の違いがロバートキヨサキの視点で書かれています。
3分でわかる金持ち父さんと貧乏父さんの違い
金持ち父さんと貧乏父さんの違いについて
3分でわかる解説動画を用意しました! 是非ご覧ください。
ロバート・キヨサキの二人の父親
金持ち父さん=親友 マイクの父
貧乏父さん=自分の実の父
ロバートの実の父が貧乏父さんだと判明します。
なぜ貧乏父さんの考え方や行動が、金持ち父さんとの差を生んだのか。金持ち父さんからロバート・キヨサキへの教育に答えがあります。
【基礎編】ここは落とせない!金持ち父さんの6つの教え
ロバート・キヨサキは金持ち父さんから、金持ちになるために大切な6つの考え方を学んでいます。
この6つの教えを知ることが、金持ち父さんの基本的思考を理解する一歩目となります。
お金のために働かない
平日は家と会社の往復の日々。休日には、仕事で溜まったストレスを発散するために浪費をする。月末には給料を貰い、そこから浪費に使ったローンを支払い、残りを生活費や貯金にあてる。そして、また次の給料日を楽しみにして仕事に行く。
このサイクルを繰り返す状態を、ラットレースと呼びます。
ラットレースを走っている間はいつまでたっても暮らしは楽にならないし、あなたが望んでいるような理想の人生を送ることは非常に難しいでしょう。
まさしく、ラットレースこそがお金のために働いている状況を表しています。
金持ち父さんは人生に大きな違いをもたらす唯一無二の考え方として、以下のように教えています。
中流以下の人間はお金のために働く
金持ちは自分のためにお金を働かせる出典:ロバートキヨサキ(2013)『改訂版 金持ち父さん貧乏父さん』白根美帆子訳,筑摩書房.
第一の教え 金持ちはお金のために働かない P.42より
お金を稼ぐために働くのでは、いくら時給が高くなっても本質的には貧乏のままです。
何故なら、働く事をやめれば収入は止まり、しかも稼げば稼ぐほどお金を失う恐怖も同時に大きくなるからです。
恐怖は無知から生まれます。
だからこそ
お金の働かせ方を学び、無知から生まれる恐怖に支配されず
学んだ知識をもとに自身の頭で考えられるようになることが
ラットレースから抜け出すための第一歩なのです。
お金の流れの読み方を学びなさい
金持ち父さんは、資産と負債の違いをしっかりと理解することを教えています。
ポイント
■金持ち父さん独自の資産と負債の定義
資産=私のポケットにお金を入れてくれるもの
負債=私のポケットからお金をとっていくもの
このお金の流れを理解する上で重要な例え話が
”持ち家は負債”という考え方です。
持ち家は簿記会計上では、固定資産になります。
ですが上記の定義からすると、持ち家はお金を生み出すものではなく住宅ローン、固定資産税、修繕費とポケットからお金を取っていきます。よって持ち家は負債と定義されます。
中流の人はこの仕組みを理解していないから不必要に大きな家に住んだり、車を何台も所有して結局支払いに苦労してしまうのです。
自分のビジネスを持ちなさい
自分のビジネスとは何でしょうか。
金持ち父さんは以下のように述べています。
自分のビジネスは、「収入」ではなく、「資産」を中心に展開する。
出典:ロバートキヨサキ(2013)『改訂版 金持ち父さん貧乏父さん』白根美帆子訳,筑摩書房.
第三の教え 自分のビジネスを持つ P.105より
この言葉は 自分のビジネス=資産 であることを表しています。
仕事とビジネスには大きな違いがあります。
仕事は、収入をもたらしてくれます。
しかし、その収入は、自分がお金のために時間を使って働いて得た結果であり資産ではありません。
資産としてのビジネスとは、自分が働かなくても収入を生み出すものです。
お金持ちになるために、あなたが自分のビジネスを持つことをロバートキヨサキは勧めています。
自分のビジネスと言うと、起業を思い浮かべる人がいますが
現実的な選択肢として、会社をやめて行動をするのでなく
今の仕事を続けながら、ダブルワークで自分のビジネスを持つことが安全で大切です。
会社を作って節税をしなさい
資産を守るために大切な能力のことを、金持ち父さんはファイナンシャルインテリジェンスと呼んでいます。
ポイント
ファイナンシャルインテリジェンスとは
①会計力 財務諸表を読んで理解できる能力
②投資力 戦略を立てる力
③市場の理解力 市場でチャンスをつかむ力
④法律力 会計や会社に関する法律を活用する力
ファイナンシャルインテリジェンスを持つ人は、合理的に選択する権利を持ちます。
会社を持ち活用している人と、会社に所属して会社のために働く人ではお金の流れは全く異なります。
会社に雇われている人は、稼いだ収入から税金を引かれ、残ったお金で生活をやりくりします。
一方、会社を持つ人は得た収入から経費を差し引き、残ったお金に税金が課せられます。
これがファイナンシャルインテリジェンスをもち、活用している人が利用する合法的な税金の抜け道の一つです。
金持ちは合法な方法で贅沢を楽しみ、かつ節税しているのです。
金持ちはお金を作り出す
不動産や株式を購入するとき適切に判断する知識がなければ、お金を作り出す資産は築けないでしょう。つまり、資産を築くためには、ファイナンシャルインテリジェンスを身につけることが必要なのです。
不動産・株・ビジネス、どれを選択しても現実の世界ではリスクを伴う投資ですが、ゲームで疑似体験を繰り返しながらファイナンシャルインテリジェンスを身につけることができる教材を開発したいという想いがあり、ロバート・キヨサキ氏は『キャッシュフローゲーム』を開発しました。世の中の沢山の人にお金持ちになってもらいたい!という強い想いでゲームを繰り返しすることをお勧めしています。
また、投資家には二種類のタイプがあります。
パッケージ化された投資を買う一般的な投資家
自分で投資先を自分で作り出すプロの投資家
バラバラなチャンスを組み合わせられるのが二番目の投資家で、一般的な投資家が見つけられないチャンスを掴むことができるため、投資で資産を築くことができます。
二番目の投資家として成功するには、次の技術が必要です。
ポイント
投資家として成功するために必要な3つの能力
・人が見逃すチャンスを見つける技術
・資金を集める能力
・頭のいい人を集めて組織にする能力
どんなことにもリスクはつきものですが、うまく乗り越えていくにはしっかりと学んでいく必要があります。
お金のためでなく学ぶために働きなさい
お金持ちになる人は、お金のためには働きませんが、学ぶためには働きます。
私は若者にアドバイスをするとき、「『いくら稼げるか』ではなく『何を学べるか』で仕事を探しなさい」という。
出典:ロバートキヨサキ(2013)『改訂版 金持ち父さん貧乏父さん』白根美帆子訳,筑摩書房.
第六の教え お金のためでなく学ぶために働くP. 170より
ラットレースにどっぷりハマル前に、自分が描く理想の将来のためにどんな技術や能力を習得したいかと考えることが大事です。
そのために、長期的視点に立ち、ゴールから逆算して行動していく必要があります。
仕事をしながら明確な目的を持って学ぶ人とお金のために働く人では、同じ仕事をしても得られるものは大きく異なるでしょう。
そして、働く上で学んだ知識を、人に教えることも重要です。いくら座学や読書で学んでも、アウトプットをしなくては自分の身になりません。
加えて、本当のお金持ちになるためには、”もらう”だけではなく、”与える”こともできなくてはなりません。
まず与えて、与えて、与えて、その後にもらうことを実践できる人が、金銭的にも精神的にも豊かな人生を送ることができます。
【実践編】あなたが金持ちになるための教え
5つの障害
ファイナンシャルインテリジェンスを身に付けお金の流れが分かっても金持ちになれない人は大勢います。
資産をすやすことのでない人の前に立ちふさがる、大きな障害になるものとして以下があります。
5つの障害
①恐怖心
②臆病風
③怠け癖
④悪い習慣
⑤傲慢さ
これらは全て、私たちの心から出てくるものです。人間は新しい事を拒絶する傾向があります。世界中で本書が読まれているにも関わらず全員が金持ちになれていないのはこれらの障害によるものでしょう。
スタートを切るための10のステップ
ロバート・キヨサキがたどってきた、あなたの才能を目覚めさせるステップです。
1.強い目的意識を持つ(精神の力)
現実に待ち受ける障害に勝つには、なぜ目的を成したいのか理由付けがなくてはならない
2.毎日自分で道を選ぶ(選択する力)
自分の時間やお金をどう使うか
責任を持って自信の目標達成のための選択をする
3.友人を慎重に選ぶ(協力の力)
お金に関しては、臆病な友人のいうことを聞いてはいけない
有益な情報を交換し合える友人と協力することが大切だ
4.新しいやり方を次々と仕入れる(速習の力)
常に新しいこと速く学び、実行に移すこと
5.自分に対する支払をまずすませる(自制の力)
金持ちと中流以下をわけるのは自制心である
収入を支払いではなく資産への投資に回すこと
6.ブローカーにたっぷり払う(忠告の力)
自分より優れた人をうまく使い、十分に報酬を与えること
すると支払った報酬より大きなリターンが自分に返ってくる
7.元手は必ず取り戻す(ただで何かを手に入れる力)
賢い投資家は投資収益率だけでなく、回収した後にタダで手に入る資産に注意を払う
8.ぜいたく品は資産に買わせる(焦点を絞ることの力)
ローンでぜいたく品を買うのではなく、資産から生まれるキャッシュフローに買わせる
負債ではなく、資産に焦点を絞って考えること
9.ヒーローを持つ(神話の力)
自分のヒーローから刺激をもらい、そうなりたいと望むこと
「彼らにできるのなら、私にもできるはずだ」
10.「教えよ、さらば与えられん」(与えることの力)
学びたい人に誠意を持って教えることで、あなたは多くを学ぶことができる
自分が欲しいと思うものを、まずは人に与えること
強い目的意識を持つ(精神の力)が一番に来ているのがポイントです。この目的意識がなければ、どんな行動も「思いつき」になってしまいます。自分が何故金持ちになりたいのか考える必要があります。
この本が書かれた”本当のワケ”とは?
経済的自由を手に入れる鍵はゲーム!?
所得には三種類あります。この違いを理解し、異なる種類の所得を得るための投資スキルを身につけることが、経済的自由を手に入れるために必要です。
3種類の所得
・勤労所得
・ポートフォリ所得(株・債権などの金融商品)
・不労所得(不動産・特許などの金融商品以外)
この勤労所得を、ポートフォリオ所得と不労所得に変える能力を身につけるのにロバートが勧めているのが、キャッシュフローゲームです。
出典:http://www.richdad.com/apps-games/cashflow-classic(最終閲覧日:2019年7月14日)
このゲームは、金持ち父さんの教えてくれたスキルを身につけれる教育用教材として開発したものですが、あまりの複雑さにあまり売れませんでした。そこで、このキャッシュフローゲームを売ることを目的として書かれた本が『金持ち父さん貧乏父さん』だったのです。
そのため、この本で書かれていることを実際に学びたい場合には、キャシュフローゲームが有効だということがわかりますね。
いますぐ行動しよう!
頭と時間という貴重な贈り物を、どのように使い何をするかはあなたの自由です。
毎日お金を使うたびに、お金持ちか中流階級か貧乏のままかを選択をしていることを忘れないでください。
そして、子供のいる読者の方は、”将来子供が社会に出た時の準備のためにも教えてあげて欲しい”とロバート・キヨサキは締めくくっています。
カンタン要約のまとめ
現代には収入を増やすための手段・方法が様々あります。しかし安易に手を出すと、騙されたり、うまくいかずに損をしてしまうことがほとんどです。
ロバートキヨサキが述べているように、しっかりと資産を築き収入を増やしたい人こそ、ファイナンシャルインテリジェンスを学ぶことが大切です。
新芽が大きな木に成長するためには、根っこがしっかりしていないといけません。
そこで
『金持ち父さん貧乏父さん』を実際に読んでみること
キャッシュフローゲームをプレイしてみること
をお勧めします。
どちらも、行動に移してしまえば簡単なことですが、一歩踏み出して得られる気づきは大きく貴重なものです。
その行動を選択をするのは、あなた自身です。
キャッシュフローゲームをプレイしたいと思っている方はぜひ当ゲーム会にご参加ください。
必ずご満足いただける自信と実績が当会にはあります。
当キャッシュフローゲーム会についてはこちらよりご参照ください。